岸田内閣は、企業年金の改革へ乗り出す方針だという。政府は何を狙っているのか。現在出てきている改革案を実現したら何が起こるのか。そして、具体的に企業年金をどう改革したらいいのだろうか。(経済評論家 山崎 元)
企業年金の運用成績開示は
DB(確定給付型)に効果あり
政府は企業年金の運用成績公開などを含む企業年金改革に乗り出す(日本経済新聞電子版「企業年金の運用成績公開へ 政府検討、予定利率上げ促す」、10月2日)。
公的年金(厚生年金)に上乗せする給付を目指す企業年金には、将来受け取る年金額が確定している確定給付型(以下「DB」)と、企業や社員の拠出額(積立額)が確定していて将来の年金受取額は加入者本人が選択した運用の結果による確定拠出型(DC)の2種類がある。
DBは企業年金基金という専門組織をつくって運用され、DCでは金融機関が提供する運営管理機関を通じて加入者本人が運用対象を選ぶ。どちらか一方を提供する会社もあるし、両方を併用して提供する会社もあれば、DBもDCもない企業もあるなど、さまざまだ。
政府は、何を狙っているのだろうか。