トヨタが描く、電動車の後続距離のサイズの相関図。ここではトヨタ車体「コムス」を、ホームデリバリーヴィークルに位置付けた Photo by Kenji Momota
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 トヨタヨーロッパの、ディディア・レロイ社長は同車を「パーソナル・モビリティ・ヴィークル」と呼ぶ。記者会見ではいつものグラフを見せた。X軸に航続距離、Y軸に車両の大きさを示す。トヨタはこれまで、次世代車関連の発表をする際、必ずといっていいほど、このグラフを出す。グラフ中央に「プリウス」を中心としたハイブリッド車。それが、プラグインハイブリッド車、さらに燃料電池車へと繋がるイメージだ。EVについては現状で航続距離100kmを目処とし、iQベースの「eQ」が「ショートディスタンス・コミューター」、トヨタ車体「コムス」を「ホーム・デリバリー・ヴィークル」と位置づける。そこへさらに、「i-ROAD」が加わった。 

 なお、同グラフは仕向け地(市場)によって、その内容は若干違う。例えばアメリカで使用される際、テスラ「RAV 4 EV」を“特例扱い”として加える場合もある。

 では、どうしてトヨタは「i-ROAD」を欧州で発表したのか? 
 そこには、欧州独特の車両規定の存在がある。

ルノーは昨年同様に、EVの「ZOE」を囲むように、超小型モビリティ「Twizy」を展示。同車は日産の「New Mobolityコンセプト」の原型 Photo by Kenji Momota

四輪車以下の規定
Lカテゴリーいろいろ

 EC(European Commission/欧州委員会)では、移動・輸送車のカテゴリーを定めている。そのなかに、Lカテゴリーがある。これは、一般四輪自動車より小さい移動体で、二輪・三輪・そして四輪車がある。

 ECの分類では、Mopeds(小型2輪、小型3輪車)、Motorcycle(2輪車、サイドカー)、Motor Tricycle(3輪車)、Quadricycle(4輪車)としている。これを基に国土交通省が策定した日本語資料内の図表では、車輪の数を基本として、2輪車(Motorcycle)、3輪車(Tricycle)、4輪車(Quadricycle)と区分けした。同図表の区分けと、同省策定資料の日本語表記を基に、ECのウエブサイト公開データの一部を加え、以下にまとめた。

Motorcycle (2輪車)
L1e:エンジン排気量50cm3を超えず、
   かつ最高設計速度50km/hを超えないもの
   電動車の場合、最大連続定格出力4kwを超えないもの
L3e:エンジン排気量50cm3を超えるか、
   または最高設計速度50km/hを超えるもの

Tricycle(3輪車)
L2e:ホイール配置は任意 
   エンジン排気量50cm3を超えず、
   かつ最高設計速度50km/hを超えないもの
   電動車の場合、最大連続定格出力4kwを超えないもの  
L4e:サイドカー付モーターサイクル、ホイール配置は非対称   
   エンジン排気量50cm3を超えるか、
   または最高設計速度50km/hを超えるもの
L5e:ホイール位置は対称 
   エンジン排気量50cm3を超えるか、
   または最高設計速度50km/hを超えるもの

Quadricycle(4輪車)
L6e:非積載質量 350kg以下 最高設計速度45km/h以下のもの
   スパーク(強制)点火エンジン車の場合、排気量50cm3以下のもの
   その他の内燃エンジンの場合、最大ネット出力4kw以下のもの
   電動車の場合、最大連続定格出力4kw以下のもの    
L7e:L6分類以外
   非積載質量400kg以下、貨物運搬の場合は同550kg以下のもの
   最大連続定格出力15kw以下のもの

 したがって、「i-ROAD」は「L2e」分類になる可能性がある。