子どもにどのように教えるべきか?

ではどのように、子どもに教えればいいのでしょうか?

ここで必要になるのが、スモールステップ(法)です。少ない説明だけで解説するのではなく、小さい段階を踏みながら、ひとつずつ丁寧に教えていくことを、スモールステップ法といいます。

先ほどの「じゃあ、同じようにやってみて」という指示は、この場合、スモールステップとは言えません。これは、子どもにとって一段が高すぎる階段を「のぼってみて」と言っているようなものです。一方、子どもがのぼりやすくなるように途中に小さい階段(ステップ)を何段も入れて解説するのが、スモールステップ法です。

スモールステップで教えることで、子どもにとっては無理なく「できる」ようになります。「できる」ことは楽しいので、子どものモチベーションを上げることにもつながります。

スモールステップで教えるときに必要なのが、「解説の細分化」と「適切な順序での説明」です。

つまり、子どもに教えるべきことを漏れなく把握し、できるだけ小さいパーツに分けた後(解説の細分化)、それを子どもが無理なく理解できるように、スムーズな順に教える(適切な順序での説明)のです。例えば、「12×17」のおみやげ算の解説なら、次のような順で教えることをおすすめしています。

①おみやげをわたす(12×17→(12+7)×(17-7))
②おみやげをたし引きする((12+7)×(17-7) →19×10)
③たし引きした後、かける(19×10=190)
④「12の一の位の2」と「おみやげの7」をかける(2×7=14)
⑤ ③と④の結果をたした数が答え(190と14をたした、204が「12×17」の答え)

『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本 計算の達人編』の第1章(おみやげ算の解説)でも、上記と同じ順に解説しています。

お子さんに教えるときに「解説の細分化」と「適切な順序での説明」を意識してみるのはいかがでしょうか。それによって、よりわかりやすく教えることができます。また、お子さんにとっても無理なく理解できるようになり、そのことがモチベーションを上げることにもつながります。