20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である本書の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
日本の大学でトップといえば誰もが、東京大学と答えるだろう。今回は東大の中から3つの学部を紹介する。
文学部
文三の学生で埋まる、というよりも、ほかの科類から進みたい学生がほとんどいない。思想文化、歴史文化、言語文化、行動文化の4学科に分かれていたが、2018年度進学者から人文学科に統一された。専修課程は研究室を核とした少人数制が基本で、学内では格下扱いの学部だが、教育レベルはも
のすごく高い。
東大の中で一番個性的な学生が集まっている学部でもあり、我が道を歩いているタイプがけっこういる。「他の学部と比べれば、試験は楽勝で単位は取りやすい。4年になって研究室に入っても、週に1回、卒論の相談に行くのみ」「マイペースで良く言えばみんな自立している、悪く言えば人間関係は希薄」とか。卒業生の約1割がマスコミに就職している。新聞社とNHKには非常に強い。
教育学部
定員は100人未満の小さな学部。女子学生の比率は最も高く、37%。文三からの進学者がほとんどだったが、「全科類」枠を広く設けたので、いろいろな学生が集まりやすくなった。
単位取りは楽で、学生のやる気の差が激しい。総合教育科学科の中に、基礎教育学、比較教育社会学、教育実践・政策学、教育心理学、身体教育学の5コースがある。「総合的人間学の探究」が課題で、教員養成を目的にはしていない。実際、卒業後に学校の先生になるのは、毎年数人ほど。
教養学部(後期課程)
文系の教養学科、文理融合の学際科学科、理系の統合自然科学科の3学科の中に分科とコースがある(詳細は欄外参照)。教養学科へは主に文三と文一、文二から、統合自然科学科へは文三と理一、理二からの進学者が多い。純学究志向が強い。
「文学部との差がつきにくい」「独特の選民意識が感じられる」といった声も。学科や専修によっては倍率が高い。英語による授業のみで学位を取得できるプログラム(PEAK)もある。東大の中でもことさら勉強好きが集まってくる。