20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である本書の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
日本の大学でトップといえば誰もが、東京大学と答えるだろう。今回は東大の中から2つの学部を紹介する。
法学部
法学部の歴史は、1872年に司法省が設置した法学校と翌年に文部省が開設した開成学校法学科からはじまる。日本の文系エリート養成機関として君臨し、公務員試験や司法試験の合格率も随一。
官界、法曹界、政界では飛びぬけた力を有している。「マスプロの授業が多く、法学部生の約3分の1が所属する法律相談所というサークルに入らないと学部内で友達ができない。しかもテストが大変なので、法学部砂漠と呼ばれている」(法学部生)。
近年では官僚志望の学生が減り、進振りでの人気はかつてに比べてダウン傾向。学部内には法学総合(新1類)、法律プロフェッション(新2類)、政治(新3類)の3コースがある。
経済学部
8割が文二、2割が文二以外の学生。経済学科と経営学科、金融学科があり、どこに属していても各学科の科目を自由に履修できる。奇をてらった流行りの専門科目は少なく、王道の学問を一通り押さえたカリキュラムとなっている。
優秀な学生への学部・修士課程の一貫教育として、修士課程を1年で修了する「卓越プログラム」もある。
学部生気質は、東大の中では一番の実学志向。出世欲の強い向きは公務員試験をめざしてWスクール生となる。もちろん、財界とのパイプは極めて太い。