「会社を変えたいと言い出すのは口だけの人です」
そう語るのは、これまで4000社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「もう誰も言ってくれないことがここに書いてある」と話題の著書『とにかく仕組み化』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに、仕組み化のメリットを説いた。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、注目のマネジメントスキルを解説する。(構成/種岡 健)
「会社を変えたい」という人たち
マネジメントの悩みを聞いていると、もっともよく出てくる話があります。
「ウチの会社はぜんぜん変わらない」
「会社が変わらないとこのままではマズい」
そういう話です。
とはいえ、解像度の低いグチのような悩みがほとんどです。
「社長の考えを変えてもらいたい」
「組織の体質を変えたい」
と言ったところで、具体性に乏しく、どうすればいいのかわかりません。
「仕組み」が変われば「会社」は変わる
「会社が変わる」というのは、どういうことなのでしょうか。
それは、「会社の仕組みが変わる」ということです。
制度やルールに手を入れなければ、具体的には何も変わらないということです。
単純に人が代わったり、気持ちが入れ替わったりすることではありません。
それなのに、多くの人は、
「社内の風通しが良くなった」
「社員たちに活気が出てきた」
という、雰囲気のことだけを求めています。
まったく本質ではありません。
「会社を変えたい」と言うだけの人は、口だけの人です。そして、「風通し」や「活気」ということばかりを口にします。
その特徴がある。だから、その誤解をなくすようにしましょう。
会社の制度が変わり、それに基づいて、経営層、中間管理職、現場へと目標が下りていきます。
だから、原則では究極的には、経営者しか会社は変えられない。
現場をよく知る社員や中間管理職は、トップが変わるような情報を上げていけばいいのです。
そのアプローチはできるんです。
会社を変えていくためにできる努力はあります。
(本稿は、『とにかく仕組み化』より一部を抜粋・編集したものです)