「みんなを笑顔にするために全員の前で笑え!」パワハラ・セクハラが日本でなくならない理由日本社会でパワハラ・セクハラがなくならない理由は?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

昨今、過酷なノルマを達成するために不法行為をしたり、上司が部下に暴言を吐いたり、企業が長時間の労働を強いて人命に関わる事態に発展するなど、社会的地位の強い者によるいじめや嫌がらせ(パワーハラスメント)を起因とする不祥事が後を絶たない。その実態と理由について、求人サービス大手のエン・ジャパンの調査を基に解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部)

日本社会ではびこる
パワハラ・セクハラ・カスハラ…

 パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置を事業主に義務付ける法律として、改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)がある。大企業では2020年6月から義務化され、中小企業では22年4月から施行された。

 だが、パワハラはなくならない。他にもセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)、マタニティーハラスメント(妊婦に対して行われる嫌がらせ)、カスタマーハラスメント(顧客の企業に対する理不尽なクレーム・言動)、エイジハラスメント(相手の年齢や世代を用いた差別的な言動)、ジェンダーハラスメント(性別に対する固定観念・役割分担意識に基づいた嫌がらせ・差別)など、いろいろなタイプのハラスメントが日本社会で今もはびこっている。

 今回、求人サービス大手のエン・ジャパンが運営する日本最大級の総合求人サイト『エン転職』のユーザーを対象に「ハラスメント」についてアンケートを実施(23年9月公表)。8857人から得た回答を基に、パワハラの実態についてユーザーから寄せられた具体的なエピソード(原文ママ)を一覧表で紹介するとともに、なぜパワハラがなくならないのかについて解説する。