米国の富裕層の間では、自国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっている国際分散投資を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。

【お金を増やす】半オートモードで手堅く配当金を増やすしくみPhoto: Adobe Stock

3つのステージに分けて
「資産形成ピラミッド
」を活用

3つのステージ別の「資産形成ピラミッド」の活用法
●ステージ1 余裕資金100万円未満 ▶ 保守的な投資のみ
●ステージ2 余裕資金100万円以上500万円未満 ▶ 保守的な投資+積極的な投資
●ステージ3 余裕資金500万円以上 ▶ 保守的な投資+積極的な投資+超積極的な投資

「資産形成ピラミッド」のそれぞれの投資について、より詳しく解説していきましょう。

保守的な投資│配当金の成長に期待する

保守的な投資では、「配当金の成長」にも期待しています。

今期100円の配当金を出していた企業の業績が好調で成長を続けていると、来期は配当を増やす「増配」となり、105円になることがあります。

増配がトントン拍子で続いたら、資産は手堅く増やせます。

60年以上連続増配の米国株

日本では30年以上増配している連続増配株は花王(4452)くらいですが、米国には、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、スリーエム(MMM)など、60年以上連続増配している銘柄もあります。

グローバル株にも連続増配を続けている銘柄は多く、配当金の成長の恩恵でピラミッドの土台を大きくすることが可能なのです。

配当金というのは、企業側が“投資家への姿勢”を示すものであり、信頼感やコミットメント(約束)を意識して設定されるものです。

企業側の都合だけで、上げたり下げたり、または出さなかったりすると、自社のオーナーである株主の不信感を買ってしまいます。

保守的な見積もりでも
年平均9.2%成長

欧米では、株主と、その“エージェント”としての経営者の構図がしっかりと意識されるので、「普通配当」として毎年じわじわ成長させるベースをつくりつつ、株主還元という信頼感を醸成し、業績がよい時には「特別配当」を出すとか「自社株買い」に回すといった手法が取られることが一般的です。

これから10年間、株価も配当金も年率5%で上がると仮定し、それを複利で運用すると、年平均成長率は9.2%となります。米国の株価指数の平均伸び率が7%程度ですから、これはかなり保守的な見積もりです。

もう少しだけ攻めた仮定をして、株価が7%で伸び、それにつれて配当金が8%で伸びるとすると、年平均成長率は10年で11.4%となりますから、年率12%という数字が射程に入ってくるのです。

※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。