「経験の貯金」は一年後に大きな差がつく
――中原ゼミの学生は、どのような進路を選んでいるのでしょうか?
コンサルタントやIT企業を目指す学生が多くなってきています。
そしてなによりも、「貢献しがいのある仕事」を求めますね。社内には「一緒に働いていて、気持ちのいい人たち」
「何を仕事とするか」も重要ですが、「誰と一緒に働くか」は、
――学生は企業の魅力をどこで判断していると思われますか?
仕事が面白いか面白くないか、というシンプルなことでしょうか。
あとは、卒業して1、2年が経ち、同窓会などがあった時に、
そうすると、不安を感じる人が出てくる。極端にいうと、
一方、大企業ではあるけど、
環境によって渡されている仕事も成長の度合いも大きく異なるわけです。これは企業の「育成力」の差と言えます。
次から次に新しい仕事を渡されて、それをこなして、フィードバックされる環境と、そうではない環境での差は大きい。
1年経つと、1.01の365乗か、0.
「経験の貯金」の差は1年経ったら大きくなるし、複利方式でどんどん大きく増えていきます。
新人をケアできないほど忙しい指導係
――社員の「経験の貯金」が増えない企業にはどんな特徴があるのでしょうか?
もちろんあえて「この新人を成長させない」
あとは、リスクを取れるかどうかではないでしょうか。結局、
マネジャーからすると、すごいリスクです。
そうなると、「経験の貯金」は貯まっていきません。
――それは若手が「成長実感」を得られない、ということにもつながりそうです。
そうなります。
自分が今持っている能力よりも少し難しい仕事に挑戦できて、誰かにサポートされて、成し遂げる。その繰り返しで、人は成長するものなのではないでしょうか。
(取材・文 間杉俊彦)