TikTok時代の新たな皇族の外国訪問の形について、過去の経緯などにも触れながら考えてみたい。これは私見の域を出ないが、天皇の韓国訪問をぜひとも実現してほしい。現在の韓国・尹(ユン)大統領は、親日派で慰安婦問題への解決にも積極的だ。日韓関係は好転しており、天皇訪韓のまたとない好機だと思う。(著述家/国際公共政策博士 山中俊之)
TikTok時代のプリンセス佳子さま
南米ペルーの世界遺産マチュピチュを背景に立つ佳子さま。ペルーの古代遺跡とマッチした姿に、目を奪われた人もいることだろう。
秋篠宮家の次女、佳子さまが11月1日~10日にペルーを公式訪問された。その姿は、地元メディアや日本国内で報道されたほか、地元の若者が撮影したTikTokなど多くのソーシャルメディアを通じて拡散した。リマ市の支援学校で聴覚障害がある子どもたちと手話で交流される様子や、はたまたあでやかな着物姿にも注目が集まった。
日本の皇族も、海外ではよりオープンにソーシャルメディア投稿につながる撮影にも対応されているのであろう。また、佳子さまご本人がいわゆるSNS世代だ。時代に合った、新たな皇族の外国訪問の形を示したといっても過言ではない。
天皇皇后両陛下の訪問は言うまでもないが、両陛下以外の皇族の外国訪問が時として、首相や外相の訪問よりも注目を浴びることがある。
王室のある国では、特にロイヤルファミリー同士の付き合いに対する国民の関心が高い。筆者が外交官時代、サウジアラビアの日本大使館に勤務していた頃、皇太子ご夫妻(現天皇皇后両陛下)の訪問に対応したのだが、サウジ王室と皇太子ご夫妻の交流を現地メディアはトップニュースで報じていた。
一方で、王室のない国でも、自分たちの国にはないものであるため物珍しさも加わって関心を持つことも多い。英国王室の動向に欧米諸国のみならず世界中が注目するのが典型だ。
さて、話を戻すと、TikTok時代の新たな皇族の外国訪問の形について、過去の経緯などにも触れながら考えてみたい。これは私見の域を出ないが、天皇の韓国訪問をぜひとも実現してほしい。