フィットネスクラブやスポーツクラブなど、主に月額制の店舗の課題解決に特化した“オールインワン型”の基幹システム──。hacomonoで代表取締役を務める蓮田健一氏は同社が手がけるサービスの特徴をそのように説明する。
hacomonoのメインターゲットでもあるウェルネス産業の店舗においては、今でも店頭で紙を用いて入会手続きをしているところも珍しくない。予約や振替は電話で対応し、月謝が振り込まれていなければ電話で連絡をする。会員管理や請求管理など一部の領域については既存のシステムを組み合わせて使っている店舗も存在はするが、データ連携や使い勝手の面では課題が残る。
こうした課題を1つのシステムで解決しようというのがhacomonoの挑戦だ。同サービスであれば店舗の入会や予約、決済などの手続きはエンドユーザーが保有する端末上で完結する。毎月の月謝は自動で引き落とされ、未納があれば催促や再徴収もシステムが自動で行うため手間がかからない。
コロナ禍で需要が急増したオンラインレッスン機能に加えて、店舗の経営に役立つアンケート機能やデジタルクーポン機能などを搭載。ユーザーがQRコードを用いてスムーズに入退館ができるようにハードウェアの開発も手がけ、施設内で販売する商品の販売管理に最適なPOSレジも提供する。
例えば総合スポーツジムでは「入会手続きに平均で1時間以上の時間がかかっていると言われている」(蓮田氏)が、hacomonoを活用すれば手続き自体を“ユーザー主導”で進められるのがポイントだ。
ユーザーは自身の端末から手続きができるため、従来に比べて手間がかからない。店舗のスタッフも事務作業の時間が削減され、浮いた時間を顧客とのコミュニケーションやサポートに使えるようになる。
手続きの効率化や自動化は、単純な業務負荷の削減だけでなく“事業のスピード”を加速する上でも役に立つ。
コロナ禍にオープンしたある24時間ジムでは、最初の1カ月で2000名以上の入会者を獲得した。これはスタッフの数が限られる中で、hacomonoを用いて入会手続きを中心にジムの運営をDXできたことが大きいという。
1年ほどで400店舗以上を出店した大手ジムの場合も、日時での締め処理など店舗運営における事務作業の工数が大幅に削減されたことが、急ピッチでの多店舗展開につながった。
これまでhacomonoでは蓮田氏が「ボーリングピン戦略」と呼ぶ戦い方を実践しながら、事業を拡大してきた。