中居正広と元アナ女性問題が残した教訓、フジテレビ再生への「厳し過ぎる」道のりPhoto:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

元タレント中居正広氏による元フジテレビの女性アナウンサーへの性被害に関して、第三者委員会による調査報告書の衝撃が広がっている。フジ側は再発防止策を出したが、CMを見合わせているスポンサーの反応は芳しくない。広告収入が減りフジテレビの業績は赤字に転落する見通しだ。どうしたら視聴者の信頼を取り戻せるのか。企業の不祥事や不正、人権問題にも詳しいコンサルタントが解説する。(未来調達研究所 坂口孝則)

中居氏と元アナ女性問題の生々しさ

 フジテレビ幹部と元タレントの中居正広氏、元フジテレビ女性アナウンサーを登場人物とする事案をきっかけにした、いわゆる一連のフジテレビ問題にひとつの区切りがついた。3月31日、フジテレビと親会社が設置した第三者委員会から調査報告書が提示されたのだ。

 約400ページにも及ぶ報告書の内容が、実に生々しくセンセーショナルなことについては、読者も知っていることだろう。この報告書を受けて、フジテレビの清水賢治社長(親会社の社長にも6月の株主総会後に就任予定)が会見を行い、改善策などを示した。筆者の感想としては、「宣言した施策を、口先だけではなく、真剣にやろう」ということに尽きる。

 まず報告書を振り返ると、明確に中居氏について「重大な人権侵害行為に当たると解する」とし、「本事案は、CX(フジテレビ)にとって有力取引先による、社員に対する人権侵害の強い疑いのある事案であり、同社における人権に関する重大な経営リスクとして認識すべき事案である」と書いてある。具体的には、元アナが中居氏の自宅に招かれ被害を受けたとしている。元アナは業務の一環として参加していたと認定された。

 そして、2人はフジテレビの幹部が仲介した関係であること、元アナが性的な被害を受けた後に、関係各所に相談していたのにもかかわらずフジ幹部らが「プライベートな男女間のトラブル」であると即断してしまった点が問題視されている。

 一例を引用すると、〈しかし、港社長ら3名には本事案がCXにおける人権問題であるとの認識がなく、人権方針に基づく対応を行う発想も、人権対応の専門家に助言を仰ぐという発想もなかった〉と手厳しい。