家電量販店はサプライチェーンの断点

 サプライチェーンとは、商品が最終消費者に届くまでにかかわるすべての事業プロセスの連鎖であり、SCMとは、そのサプライチェーンに含まれる主要な事業プロセスを統合的に管理することである。統合的にというところが要点である。

 電機メーカーにとっては量販店のところで、最終消費者につながる連鎖が切れ、サプライチェーンの統合的管理ができなくなっている。

 家電量販店は食料品のスーパーのような売り方をしている。食料品の購買はリピートが多いので、あまり考えては買わない。一方、電気製品は一度きりのものが多く、考えてから買う商品であるという違いがある。同じように売るべきではないはずである。

 家電量販店のスーパー的な売り方に対応して、電機メーカーは、なるべく多くの製品を開発し、カテゴリー内の商品数を増やし、棚確保に走る。価格と棚フェーシング(陳列商品と最前列の商品数を決めること―第1回を参照)確保の勝負になっている。電機メーカーは、自分たちの顧客は最終消費者でなくて、家電量販店と思っているらしい。利益の出ないパターンである。

 最終消費者にとっても、電気製品は種類が多く、自分に合った商品がどれかわからないので、お金の無駄遣いになりがちである。家電量販店もお互いに差別化できていないし、ネット通販とも競合し、ビックカメラがコジマを子会社化し、業界1位のヤマダ電機もベスト電器を買収という風に、規模の経済に活路を見出す過当競争の構図になっている。みんな結局儲からない。まさに、三方悪しの様相である。

 日本の電気製品のサプライチェーンは、量販店で途切れており、いくらものづくりと技術力があっても、その能力を生かす形で、最終消費者が必要とする商品を届けることになっていない。日本のサプライチェーンに構造的な問題があるので、解決策を求めて、外国のサプライチェーンの事例を基に議論を進める。