コミットが中途半端な人材がフルタイムでやるより、コミットしている人がハーフタイムでやる方が生産性は上がるし、ストレスもかからないと佐野氏。「これからは、そういう時代になっていくでしょう」と語る。
10年、HRマネジメントについて考えてきて「HRに関する課題感の強さ、方向性は変わっていない」という佐野氏だが、コロナ禍で、この方向性が変わってしまうかもしれないという可能性については「めちゃくちゃ考えた」という。
「コロナ禍で別の方向性へ進むのなら、今回のSmartHRとの取り組みも一度白紙に戻した方がいいと思ったのですが、検討した結果、変わらないと確信しました。むしろオンラインで仕事を進めることになった場合、一緒に働く人の背景、価値観を知っていて、それをベースにどうコミュニケーションできるかというのが信頼関係構築のベースになる。背景を理解していて、コミュニケーションを円滑に取れる人と働きたい、そうすると文化の形成も維持しやすいということになります。かつ、『その人がオススメしている人であれば安心して一緒に働ける』ということも出てくる。となると、人と企業の関係性があいまいでありながら、つながっていくという仕組みは、この時代、有意義だと思うんです」(佐野氏)
Looperでは、現在コンセプト検証を進めているタレントデータベース構築機能、求人との自動マッチング機能を、まずは一部のエンタープライズ企業を対象に提供し、さらに実績を積みたい考えだ。そして2020年内には検証を終え、2021年からは、クローズドベータ版としてより広く展開できるようにしたいと佐野氏は話している。
「Looperは、終身雇用は終わると感じながらも何から手を付ければいいか分からない、何とかしたいと考える担当者を支援するものです。事業戦略が変わっても、働き方のマインドセットが変わらなければ、HRマネジメントは硬直したままになってしまう。Looperで、挑戦するクライアントに貢献したいと考えています」(佐野氏)