ニッチでもオンライン上で10万人が熱狂

 

「Player!」ではメジャーな競技からマイナーなものまで、様々なスポーツの速報をチェックできる
「Player!」ではメジャーな競技からマイナーなものまで、様々なスポーツの速報をチェックできる

「テレビが扱ってこなかったマイナースポーツ領域にもしっかりとアプローチできているのが大きな特徴です。日本中の試合情報を可視化することで誰でもその情報にアクセスできる仕組みを作ることを目標に、網羅性を重視。テキストデータによる試合速報を通じた情報提供をベースとして、オンライン上でファンコミュニティを形成してきました」

ookami代表取締役の尾形太陽氏はPlayer!のウリについてそのように説明する。

同サービスはユーザーから見ればかなりシンプルだ。テキストベースの試合速報をメインに各スポーツのニュースなども合わせて配信。気になるチームや大会をフォローしておくと、試合の開始をプッシュ通知で知らせてくれる。試合中は他のユーザーとテキストチャットやスタンプを通じて交流することも可能だ。

Player!が強みとするアマチュアスポーツやマイナースポーツの領域は、多くの場合Twitterや大会の公式サイトなど試合情報を得られる情報源がかなり限られる。結果として気になる人は一定数いるものの情報が埋もれてしまっている状態で、Player!ではそれを掘り起こしてスマホやPCからアクセスできる仕組みを作った。

実際に高校生のハンドボールの全国大会決勝の様子をリアルタイムで速報したところ、延べ10万人ほどにリーチ。直近でもフェンシングの大会に対して4日間で10万人を超えるユーザーが集まった。

Player!の鍵を握るのが、各地のチームとのネットワークだ。サービス上で扱う試合情報のうち、約3分の1〜半分は連携するスポーツチームが自ら管理画面を使って情報を提供している。いわばPlayer!はCGM(ユーザー投稿型のメディア)の要素も含んでいるわけだ。 

チーム向けの管理画面
チーム向けの管理画面

チーム側としては選手の家族やOBOGを始め、関係者やファンに自分たちの試合情報を配信したいというニーズがある。Player!の管理画面ではSNSとの連携機能やサイトの自動更新機能も含まれているため、追加の手間をかけることなく、より多くのファンとコミュニケーションを取ることが可能。無料で使えてほとんどのチームにとってデメリットがないため、話をすれば7〜8割のチームには使ってもらえている状況だという。

「自分たちの勝ち筋は日本中のスポーツチームをネットワークしていくことにあると考えています。Player!がチームにとってないと困るような存在になれれば、自然と試合情報が集まるようになり、コミュニティも出来上がっていく。アマチュアカテゴリまで含めると日本だけで何十万とスポーツチームがある中で、どこまで多くのチームとパートナーシップを組めるかが今後のポイントです」(尾形氏)