広告、寄付機能、チーム向けSaaSがマネタイズの3本柱
Player!では前回(2018年6月)の資金調達以降、少しずつマネタイズに向けた取り組みも進めてきた。同サービスの収益モデルは今後予定しているものも含めて大きく3つだ。
1つ目がすでにいくつかの事例が生まれているブランド向けの広告モデル。ブランドが特定の試合や大会をサポート(スポンサード)するような形でPlayer!上のコミュニティに参加し、その中でプロモーションを行ったり、ユーザーとコミュニケーションができるようなタイアップ型に近い広告を展開している。
ナイキやアシックスといったスポーツメーカーを筆頭に、主にスポーツ競技者やスポーツ視聴者にリーチしたい企業を中心に活用が進む。
2つ目は「Player!サポート(寄付機能)」の手数料だ。この機能はクラウドファンディングや投げ銭のモデルにも近しく、オンライン完結型で外部からの支援を募れる。
尾形氏の話では、もともと想定していたユースケースの1つは大学や高校スポーツにおけるOBOG会費の集金だ。特に大学スポーツにおいてはこの会費がチームの運営費・強化費の一部に当てられていて、各チームに担当者がついているのだそう。ただその集金方法が未だにアナログな方法が主流で非効率なため、オンライン上でスムーズに集金できる仕組みには一定のニーズがあるという。
この寄付機能がコロナ禍では別の課題解決にも使われるようになっている。それがプロスポーツチームを中心とした投げ銭だ。コロナの影響でさまざまなスポーツが無観客ないし動員数を制限した状態での試合開催を求めらる中で、スポーツチーム側はチケット収益とは別の収益源を探っている。そのニーズにPlayer!サポートが合致した。
実際に鹿島アントラーズや浦和レッズなど複数のJリーグクラブがPlayer!サポートを活用した投げ銭にチャレンジ。チーム側と連携しながら試験的な導入を進め、現在はプロリーグで十数チームが導入しているという。
コロナの影響を受け、年内はPlayer!サポートの手数料を無料にすることを決めたが(外部決済サービスの手数料のみ発生)、ゆくゆくは同機能の決済手数料のマネタイズポイントの1つにしていく計画。また3つ目の収益源として、スポーツチーム向けにより高度な機能を有料で提供する「チーム向けSaaS」準備も今後進めていく予定だ。
地銀とタッグでスポーツを軸とした地方活性化へ
Player!では今でこそ各地のチームと連携してニッチな試合情報もカバーできるようになったが、当初からこの領域に絞って事業を展開してきたわけではない。