実際にQuest 2を付けてみたらすぐにわかるが、画面は非常にクリアだ。もちろん、ハードそのものの反応も素早くなっている。

さらに思い切ったのが、299ドル(税抜3万3800円)という価格設定だ。アメリカでは「299ドルライン」と呼ばれる有名な指標がある。ゲーム機などのハードが大ヒットするためには、299ドルよりも安いかどうかで販売量が爆発的に変わる。

例えば、2017年に発売が始まったNintendo Switchは約300ドルで発売が開始された。この価格が、Switchの爆発的なヒットにつながった一因であることは間違いない。発売当初、Switchの原価は1台当たり約250ドルと推計されており、さまざまな開発費用を勘案すれば当初は赤字であったと考えられる。

Facebookは、Oculus Quest 2でも任天堂と同じように思い切った販売戦略を採った。性能は劇的に向上しているのに、価格を100ドルも下げるということは、現在は1台当たりでは利益が出ているとはとても考えにくい。それだけに、普及に対してFacebookは強い意気込みを持っていると推測できる。

すでに公式サイトでの注文は、9月26日現在、アメリカでは3週間待ちという状態になっており、ユーザーの期待の高さが読み取れる。Quest 2はVRデバイスとして考えたとき、市場状況を一変させうる可能性がある革命的なVRデバイスであることは間違いないと言えるだろう。

画像提供:Facebook Reality Labs

ゲーム機として位置づけられた「Oculus Quest 2」

またFacebookはキャンペーンを展開する上で、Oculus Quest 2を「新しいゲーム機」という位置づけを強調する形で展開しようとしている。公式サイトに掲げられたキャッチコピーは「何ものにも縛られず、思いのままに、遊び尽くせ。」と、ゲーム性を強く意識した内容になっている。

Oculusが公開したCMは、既存の家庭用ゲーム機やPCゲームが机に縛られて座ってプレイするしかない状態を揶揄し、VRではそうした制限から解放されるというメッセージを打ち出した内容になっていた。つまり、ライバルは同じような価格帯のNintendo Switchということなのだろう。

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