従来こうしたデータを取得する場合にはバーコードや日報などが使われていたが、それだと作業員に余計な負担がかかる上に、手作業が含まれるためデータの抜け漏れや精度の観点で課題があった。Genkanの場合は指示書をセンサーの上に置くだけでよく、ほぼ自動的に生産データを収集できる点がポイントだ。
同サービスでは受注ごとの工程進捗や実働時間に加えて、実際の原価も可視化される。ダッシュボード上では見積価格と実際原価を比較でき、製品ごとの損益決算が1日単位で可能。勘や経験だけに頼ることなく、実態を基に利益をきちんと確保できるような見積価格を算出するのに役立つほか、受注の判断や設備投資など、経営者が意思決定をする際の材料にもなる。
Genkanは初期費用無料、月額4.8万円からの定額モデル。7工程までが4.8万円、それ以上の場合は1工程ごとに3000円が加算される仕組みだ。
KOSKAでは2019年10月に既存投資家であるCoral CapitalとDEEPCOREより総額約2.5億円の資金調達を実施済みで、正式ローンチに向けて社内体制の強化を進めてきた。新型コロナウイルスの影響で延期にはなってしまったものの、今春には中国の工場との取り組みも予定していたそうで、今後は日本だけでなく海外の企業・工場での展開も見込んでいるという。