Makuake・b8taの活用は販路拡大の“第一歩”
前述のとおり、ピップは10月にクラウドファンディングのMakuakeでジースピナーの先行販売を開始した。値段は早割でも3万5820円と高額だが、12月22日現在、応援購入総額は目標金額の100万円を大幅に上回る960万円に達している。
ブランド戦略本部でマーケティングを担当する木下絵美氏は、ジースピナーをイーバンの根強いファン以外にも届けたいと考えていた。そのため、「ガジェット好きにも使っていただきたいという考えで、Makuakeで先行販売することにしました」と説明する。
b8taでの展示は社長の松浦氏によるアイデアだった。「たまたまネットでb8taに関する記事を読み、『面白いな』と思い、見に行きました。b8taにはアーリーアダプターが集まり、店舗スタッフが彼らに各製品をきちんと説明する。ジースピナーは広く浅く販売する製品ではありません。潜在顧客に深く刺さるようにしないといけない。そこで選んだのがb8taでした」(松浦氏)
ピップがジースピナーをMakuakeで先行販売するのは2021年1月15日まで。今回のMakuakeやb8taでの展開を皮切りに、“メーカー”としてのピップはさまざまな販路を開拓していく方針だという。松浦氏は、卸が扱っていないルートを開拓したり、商品を顧客に直接届けるD2C販売を強化する意向を示した。
「ピップにとって長年の悩みは、メーカーとして開発している製品のほとんどを卸経由で売っているということです。メーカーとして独自性を出したり、本当に強くなるには、自分たちで販路を拡大していかなければなりません。これからは顧客に直接製品を届けるためにECも強化していかなければなりませんし、さまざまなルートで我々の商品を購入していけるようにしていきたい。ジースピナーではエレキバンと同等の売上は難しいと考えます。まだ磁気治療器を試したことのない顧客にリーチするための新たなラインナップという位置付けです」
「さまざまな商品を作っていく中で、『この商品はどういうルートを使ったら一番ふさわしいのか』ということを考えながら、いろいろな販路を使って販売していくのがこれからの販売です。Makuakeとb8taの活用はその“第一歩”だと言えるでしょう 」(松浦氏)