2021年はキャッシュレス決済の「次」の動きに注目
ZホールディングスとLINEの経営統合がいよいよ実現し、PayPayとLINE Payを核にした「キャッシュレス決済の次の展開」の社会実装が進んでいくのかなと考えています。
PayPayのボーナス運用も170万人のユーザーが運用中と表示されています。先日メルペイとスタートアップのFundsが組み、メルペイユーザーへの事実上の貸金の原資をFundsで個人投資家から集めるという取り組みをしましたが、それも新しい流れを示唆していたと思います。
PayPay、LINE Pay、メルペイ、といった会社が決済会社から総合的な金融会社となり、既存の金融機関から機能を奪うとともに、新しい機能を生み出し、役割を果たして行くと思います。周辺に新しい金融サービスや事業を生み出す機会も生まれていくと思います。ウェルスナビも上場し1000億円以上の市場価値となるなど市民権を得ている中で、個人の預貯金が現役世代から少しずつ少しずつ、メガバンクの銀行口座からこれら新しい金融機関の口座へ移っていくのかなと思っています。
広告業界や芸能、プロスポーツなどをまたがった、キャッシュ創出力と影響力の源泉の変化による、新しいコンテンツやエンターテイメントの創造にも注目しています。米国では21年2月に人気Youtuberとフロイド・メイウェザーのボクシングマッチがPPV(ペイパービュー)で企画されています。
従来だと成立しなかった試合ですが、PPVでの収益モデルだと「売る力のあるタレント」に主導権が移行するため成立した試合であり、そのために生み出されたコンテンツといえます。旧来の価値観だと眉をひそめてしまうような状況も生み出されることもあると思いますが、このダイナミズムが新しいコンテンツやエンテーテイメントの創出にまで繋がっていくことを期待しています。
その流れとともに、日本でもABEMAを中心に、サブスク課金、投げ銭、という課金モデルに加えて、PPVという事業モデルがエンターテイメントで根付いていく1年になると思います。ライブ体験を売りにした刺激的なオンラインコンテンツがたくさん企画されていくと思います。オンラインで薄く広くベース収益を獲得できれば、オフラインでは収益を期待しない実験的なエンターテイメントがたくさん生み出されるなど好循環に入ります。