大人起業が増加、GovTechの需要が爆発的に生まれる2021年に

去年予測した内容(「スタートアップトレンド2020」著名投資家50人が大胆予測!/前編【総予測2020】)を読み返したのですが、まだ実現していない内容が多いと感じました。ただ、大局観はあまりずれていないと思っています(笑)。

折角なのでいくつか予言をしたいと思います。

「大人起業」、始まります

資金調達市場は活況です。シリーズCラウンドで30億円以上の調達が出来る環境にこの2年で大きく様変わりしました。シリアルアントレプレナーの再挑戦にかつてから親交のあるVCが巨額のお金をシードラウンドでも出資する機会をよく見るようになりました。大企業で経験を積んだエース級の人材による、スタートアップ挑戦も今後増えていくと思います。弁護士や医師のスタートアップ挑戦も毎年増えていますが、経験豊富な人材によるスタートアップチャレンジが増え(特に業界特化型SaaS領域)、一つのトレンドになると思います。40才、50才からの起業というケースは米国では一般的ですが、日本でも当たり前の時代に突入するでしょう。

GovTech需要爆発でノーコードとセキュリティがお祭り状態に

2020年9月にはデジタル庁が立ち上がり、2021年10月10日と11日にはデジタルの日が創設されます。行政のDX化は待ったなしです。沢山の優秀な人材が流入するでしょう……いや、はたしてそうでしょうか? 人材は有限です。DX化が思ったより進まないということが起こりえます。人手不足を解決するノーコードのサービスはあらゆるところで導入が進んでいくでしょう。また、オフラインの時はそこまで心配のいらなかった情報セキュリティに対して、否が応でも対応しないといけません。セキュリティ市場はこれまで見たことないほどの需要になると予想します。

副業、じわじわと広がって社会問題にまで発展

副業にチャレンジ・応募したい人材は山ほどいます。しかし、オフィス勤めで副業を行うのは不可能でした。コロナの前までは、副業は本当のごく一部のセグメントで行われている行為でした。しかし、コロナ禍ではオフィス勤務が必須でなくなった人材は通勤時間がなくなったことによって生産性もあがり、副業に挑戦しやすい環境が整ってきました。

2020年10月にはヤフーがギグパートナー制度という外部タレントと新規事業を考える取り組みを開始しました。本取り組みでは応募が沢山集まり、私もその反響に驚きました。今後も様々な副業が増えると思いますが、現在では受け入れ企業側の準備やルールが整っておらず、一部の企業・団体やスタートアップ界隈での導入に限定されています。