またグローバル比率が高く、国産サービスでありながら海外ユーザーからも多くの支持を集めているのも同サービスの特徴と言えるだろう。

「何かシンプルな理由があるわけではないものの、VTuberの世界的な広がりの波に乗れていることが1つの要因であるとは感じています。Zoomを使って海外ユーザーにグループインタビューを実施していると、コロナ禍でYouTubeを見て過ごす時間が増え、VTuberの存在を知るうちに自分でもやってみたいと思ったという話を聞くことが多い。スマホだけでアバターを作って配信できるアプリはグローバルで見ても珍しいため、VTuberになれるアプリを探した結果、REALITYに行き着くそうなんです」(荒木氏)

REALITYが見据える「メタバース」とは

REALITYでは今後さらに大型の投資をしながら、メタバースを構成する機能の開発を進めつつ、グローバルで数億人のユーザー獲得を目指すことを明言している。

具体的な方向性については「REALITYが考えるメタバース」とは何を指すのかがわかると見えてきそうだ。荒木氏によるとそこには大きく3つの重要な要素があるという。

REALITYが考えるメタバースの3つの定義
 

1つ目はアバターによるリアルタイムボイスコミュニケーションが軸になっていること。テキストではなく、アバターを介して会話でやりとりをする。これ自体はREALITYがこれまでも取り組んできたことであり、フォートナイトやマインクラフトなどにおいても同様だ。

2つ目が空間的な広がりが存在し、なおかつその空間をユーザー自身が拡張できること。平面に閉じたビデオチャットのようなものはメタバースとは呼んでおらず、広がりのある空間をどんどん移動したり、そこで誰かにあったりできる“仮想現実”のような体験が必要だという。

「ただし、それだけだとMMORPG(複数人のユーザーが参加できるオンラインRPG)と変わりません。大きな違いの1つはUGC(User Generated Contents)要素が加わっていること。現実世界がそうであるようにそこにいる人たちによって街が変化し、新しいものが生まれ、世界自体が変わっていく。生きた3D空間であることが重要です」(荒木氏)

そして3つ目がクリエーターエコノミーを内包していること。これはメタバース内での活動によってリアルマネーを稼ぐことができ、本気で頑張ればその世界の活動だけで生きていくことができるような状態を指す。 

これはメタバース内の経済と実社会の経済が密接に接続している状態とも言え、将来的には「リアルマネーに兌換可能な通貨」のようなものを発行することも見据えているという。