「母親から人生最強のスキルを教わりました」
そう語るのは、SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、日本中で大ブレイクを巻き起こした、ひろゆき氏。「シンプルな考え方を知れてラクになった」「目からウロコが落ちまくった」と話題を巻き起こした彼の著書『1%の努力』『99%はバイアス』では、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語っている。そんな彼に、この記事では、「母からの教え」について聞いてみた。(構成/種岡 健)
母親像を見ていない母親
僕の母親は「シングルファザー」の家庭で育ちました。
要するに、僕の母方のおじいちゃんですね。
そのせいか、「一般的な母親像」というものを見て育つことがなかったのでしょう。
「常識からは外れたことがいろいろとあったな~」
と今になって感じることがあります。
ということで、そんな母親からの教えについて述べようと思います。
母親にとっての「常識」
どんな家庭にも、「常識」というものがあると思います。
そして、それを常識だと思い込んだまま、大人になって「常識じゃないのか!」と気づいたりします。
たとえば、僕の母親は味噌汁を「煮干し」でダシをとっていました。
当時はそれが当たり前だと思っていましたが、なんとも味にこだわった家庭だったなと思います。
おそらく、テレビか何かの知識によって「煮干しでダシをとりましょう」というのを見て、それでそのままやり続けていたのでしょう。
母親からの教えとは?
そんな母親と過ごしていて、いちばん衝撃を受けたことがあります。
蚊に刺されたら、「ムヒ」を使うと思います。
僕も、家ではいつも「ムヒ」を使っていました。
しかし、ある日、目撃してしまったのです。
それは、母親がムヒの容器に「水」を入れているところでした。
たしかに、何年も同じ容器を使っているなとは思っていました。
しかし、僕はそんなことにも気づかずに、ムヒを使い続けていたのです。
薬には、2つの効用があるといいます。一つは、薬の効用。もう一つは、「薬を使った」という思い込みの効用。
プラセボ効果という概念を聞いたことがあるでしょうか。
薬を飲んだだけで、頭痛が消えた感じがしたり、元気になったような錯覚を持つような効果です。
僕も、ムヒをムヒだと思い込んで「水」をぴちゃぴちゃ塗っていただけで、なんか効いた感じがしていたのです。
そして、母親は、「所詮、その程度でいいんだ」ということを見抜いていた。だから、隠れて水を入れていたんでしょうね。
それ以来、「所詮、その程度でいい」ということは、僕の中で大きな考えの根幹にあります。
常識を疑うこともできるようになったと思うんですよね。
(本稿は、『1%の努力』の著者・ひろゆき氏へのインタビューをもとに構成したものです。)
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。自身のYouTubeチャンネルの登録者数は160万人を突破。生配信の「切り抜き動画」が話題になり、ひと月の総再生回数は3億回を超えた。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『1%の努力』『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)がある。