【スクープ】デロイトで「倒閣運動」の反体制派に粛清の嵐!“血判状”も出回ったクーデター事件の内幕Photo:Marcu Radulescu/500px/gettyimages

ビッグ4最大手のデロイト トーマツ コンサルティングで内部崩壊が進んでいる。“クーデター”の失敗や反乱分子の粛清…。業績悪化を発端として、巨大コンサルの内部で、映画顔負けの衝撃的な大事件が勃発していた。長期連載『コンサル大解剖』内で10回前後にわたり配信予定の特集『デロイト内部崩壊』の第2回では、反体制派が水面下で進めた「倒閣運動」の顛末に加え、現政権による反乱分子に対する粛清の実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

デロイトトップが新体制を提案
内部抗争の苛烈な“後始末”とは

「経営会議メンバーは極小化した体制を提案し、今後機関決定を進めたい」。10月27日、デロイト トーマツ コンサルティングで開かれた緊急のパートナー会議。佐瀬真人社長が経営体制を一新すると表明した。

 デロイトは今期、急激な業績悪化に直面している(『【スクープ】デロイトが内部崩壊!“予算未達ドミノ”で大幅下方修正、「禁じ手」人員削減リストラ計画の全容』参照)。緊急で開かれたパートナー会議では、佐瀬氏が業績悪化を受けた今後の経営改革について説明した。

 改革の柱が、経営体制の見直しだ。佐瀬氏は「可及的速やかに抜本的な経営改革をしなければ、今期はもとより、来期以降も健全な事業運営に支障を来す」と緊急事態であることを認めた上で、体制刷新に理解を求めた。

 経営会議は、5000人超の社員を抱えるデロイトの最高意思決定機関である。事業会社における取締役会のような存在として、巨大な組織のかじ取りを担う。

 その経営会議のメンバーには、佐瀬氏を筆頭に9人が名を連ねている。うち2人は上部組織に当たるデロイトトーマツ合同会社の枠のメンバーである。デロイトに出資している合同会社は、経営会議に2人送り込んでいるのだ。

 経営体制の刷新とは、具体的にはメンバーの減員を指す。合同会社の2枠を除き、経営会議のメンバーを現在の7人から3人に減らす。

 事業会社などでも意思決定の迅速化を目指し、取締役の減員が採用されることがある。佐瀬氏が提案した経営会議のスリム化も、デロイトの焦燥を映し出したものに見えるかもしれない。

 ところが、実はこの経営体制の刷新こそが、内部抗争の“後始末”ともいえるのだ。どういうことか。

 次ページでは、業績悪化を引き金として勃発した反佐瀬派による“クーデター事件”の顛末に加え、佐瀬派による粛清の実態を明らかにする。

 佐瀬派と反佐瀬派、両派の実名とは。さらに、反佐瀬派が作成したパートナー約100人を仕分けした“血判状”リストに加え、派閥抗争の発端ともうわさされる“クビリスト”という二つのリストの存在も明かす。