第5回でお話しした「3000円、200人に1人」の“法則“を思い出していただきたい。中小企業や個人商店などが突然自社のホームページに決済機能を付けて商品を販売しても、月の売上目安は、「3000円の商品に対し200人のアクセスがあったとして申し込みが1人」というのが関の山、というところだ。
では実際にネットで儲けている企業はどうしているのか。彼らは、ホームページを通信販売のツールとしてではなく、店頭にお客さんを誘導するためのツールとして活用しているのだ。今回は、この考え方を、もう少し深掘りしてみよう。
ネットショップと実企業
最初に、ネットショップと実在の企業の違いを考えてみよう。下記は両者の営業プロセスの違いを表した図である。
図1の「実企業」は、実社会(リアル)で商売している普通の企業である。こうした実企業は、リアルで「集客」し、リアルで「セールス(販売)」する。
一方、「ネットショップ」は、ホームページで物販を行なっており、ネットで「集客」しネットで「セールス」している。お客さんからすると、実際に商品を見たり販売員と話をしたりすることなく、パソコンの中だけで商品の売買が完結している。
実企業が販路拡大のためネットで自社の製品を売ろうとすると、当然、ネットショップと同じことを行なわねばならなくなる。
今まで「リアル」で「集客」していたものを「ネット」で「集客」しなければならないし、「リアル」で「セールス」していたものを「ネット」で「セールス」しなければいけない。それまで経験のない、ネットでの「集客」と「セールス」という2つのノウハウを身につける必要が出てくるわけだ。