短期的には売り上げとしては小さいと思いますが、中長期としてはそれが大きなモノになってくると思っています。(開発だけでなく)アセットマネジメント事業でいくら、物流事業でいくらと売り上げ作っている企業になっていくと思います。

今は「特需」、今後分かれる「いるDX」と「いらないDX」

――コロナ禍で急激に注目を集めたDXですが、アフターコロナ、ニューノーマルな世界ではどう変化すると読んでいますか。

 当然ですが「いるDX」と「いらないDX」が出てくると思います。

 コロナがあってもなくても、デジタル化は求められていたと思います。ですがそれがコロナで一気に顕在化しました。いろんな問題が洗い出されて、「なんでこんな非効率なことが残っているのか」となりました。それが過剰に捉えられていたので、正直特需が来ているとは思っています。

 ですが、電子契約を利用し始めたけれども、「コロナが落ち着いたので印鑑に戻したい」という人はいるのでしょうか。いないんじゃないでしょうか。これまでは不便だけれども、優先度順で考えて手を付けなかったものの順序が、コロナで入れ替わったんだと思っています。もう変わらざるを得ないですし、変わった人たちは元の作業に戻したいとは思いませんよね。みんなやるきっかけが欲しかったんだと思っています。そういう不合理にはもう戻らないでしょう。

 でも、いらないDXもあります。それは企業のP/LやB/Sに効果のないデジタル化です。もちろんセキュリティや人の命のように、企業の利益を超えた価値はあります。ですが大事なのは企業の経営リスクを消してくれるのかということではないでしょうか。またそれと同時にデジタルかアナログかということだけが重要だとも限りません。本当に大事なのは、その変化が企業の成長に寄与するかどうかということです。