「デリバリーの場合、せっかくの料理が冷めてしまうんじゃないかと思われがちです。しかしUber Eatsは、注文から配達完了までを30分で実現しています。30分のうちには調理時間も含まれていて、料理を作り終わってからの配達時間だけでいうと10分強。この『10分強』を実現するため、つねにアナリストが計算して、配達パートナーの配達範囲を需要に応じてコントロールしているんです」

将来的にはドローンでのデリバリーも

 Uber Eatsが掲げるミッションは「豊かな食生活をいつでも誰にでも」。このため、ただデリバリーを代行するだけではなく、飲食店とユーザーの双方が満足できるサービスづくりを目指していると語った。

「いま、わたしたちは、飲食店が本来のホスピタリティや料理のクオリティ向上に専念できるような状況をサポートするための開発を進めているところです。その一方、ドローンを活用したデリバリーで遠隔の方にも都心と同じような料理を提供していけるような仕組みも研究中。もちろん、いますぐに実現できるものではありませんが、将来的に必ず実現したいと考えています」

SNSではトラブル報告、労組立ち上げなど課題も山積

 登壇はここで終了したが。直近にはUber Eats関するトラブルがSNSで話題を集めた。あるフリーランスライターが、30分ほど注文の遅れた商品を受け取り拒否したところ、配達員が商品をマンション共有部分に投げ捨てた。これに対してUber Eatsのサポートに問い合わせたところ、「(配達員が)個人事業主だから関与できない、勝手に警察に連絡しろ」と回答したという騒動があった。

 本件についてあらためてUberJapanに問い合わせたところ、「ビジネスモデルが新しいという実情はありますが、Uberは市場とお客さまに責任を持って運営をしています」と回答。サービスの品質維持のため、「悪質だと客観的に判断される行為についてはパートナー・お客さまへの警告など必要な措置を取っています」とした。また、今回の騒動について、「このような事態に対し深刻に捉えております」として、ガイドラインの再周知を含めた取り組みを進めるという。

 これと並行してUber Japanは9月30日では労災保険の適用されない配達員向けに保険制度(対象は配達員がスマートフォンのアプリで配達の注文を受けて食事を届けるまでの期間。医療見舞金は25万円、死亡見舞金は1000万円を上限とする)を発表。一方では10月3日には、Uber Eats配達員の有志が、労働組合ウーバーイーツユニオンを立ち上げている。