サブスクとレンタルの違い
サブスクとレンタルの違いは大きく2つ、支払い方法と期間にある。サブスクは、月額費が一律固定で半永久的にモノやサービスを使用できるというのが主流だ。それに対してレンタルは、借りるモノによって金額が異なり、ニーズに応じて借りる期間を変えられる。
所有でなく利用権にお金を払うサブスクは、使い続けている間にも、どんどんサービスがアップグレードされていく。ソフトウェアなどはまさにそこがの一番のメリットといえる。
「しかし、モノを扱うサブスクの場合、利用期間中に中身がアップグレードされるということはありません。多くの人は、何年かにわたって長期的に使うモノならば、買った方が得だと考えるでしょう」(三輪氏)
レンティオのレンタルサービスは、短期モデルと長期モデルの2つに分かれる。短期モデルは数日間だけのレンタルで、長期モデルは月額制のレンタルだ。
特に短期モデルは、例えば「旅行でカメラが必要」などイベント性のある突発的なニーズや、「購入を検討しているため、試しに使ってみたい」というお試しニーズに適しており、回転率が高いため、レンティオの収益の基盤となっている。
「サブスクの場合は、ひとつのサービスを長く使ってもらうことで収益化していきますが、多数のモノを扱う場合、回転率が悪いと儲からない。モノでサブスクをやろうとすると、高価なものばかり借りられてしまい、結果として回転率が悪くなってしまうんです。当社はレンタルでの回転率をあげるため、商品の管理システムを自社開発しており、1つ1つのカメラがどれだけ利益を出したかも見ています。表示場所を変えたりレンタル料を下げたりして、古いモデルでも在庫が消化される仕組みをつくっているんです」(三輪氏)
現在レンティオが扱う製品の点数はおよそ1万8000点ほどあり、その中で月間在庫回転率は90%。1日およそ300点発送しているという。
「レンタル後購入」の鉱脈
また、2019年9月から始めた新サービス「レンタル後購入」も好調だ。これは、数日だけレンタルで試しに使用してみて、購入したいと思ったらそのまま買い上げることができるというものだ。
「製品をレンタルした人の20%(カメラに限っては80%)が、その後に類似商品を購入しているというデータが出ていたんです。そこで、サービス化に踏み切りました。米国やドイツではもともとあった、1年レンタルしたらそのままもらえるといったビジネスモデル「Rent to own(購入選択権付レンタル)」に近い考え方で、“返せる分割払い”とも呼んでいます。実はこのモデルを主軸にしてやろうとすると、購入してもらうことがゴールになってしまうため、返品されると収益があがらなくて苦戦してしまうケースが多いんです。当社の場合は、レンタル事業が主軸で、そこで収益化が十分にできているのでうまくいっています」(三輪氏)