反社チェックの不備で上場廃止という事例も
スタートアップなど小規模な企業の場合、法務・コンプライアンスの責任者が存在しないということも決して少なくない。そんな場合にも、専任の責任者を置かなくてもよいというSansanの反社チェック機能は、かなり有効な手段だと同社は主張する。たとえば上場を目指すとき、その審査項目として、反社との関係の有無はもちろん、どのような方法で反社チェックを行っているかが問われるからだ。
実際、2015年には、第三者割当増資を行おうとしていたある企業が、その割当予定の企業に反社の疑いが発覚したにもかかわらず、その事実を証券取引所に報告しなかったため上場廃止に追い込まれたというケースもあった。スタートアップのこうした事例はなかなか表面化しないものの、反社チェックの不備によって上場がご破産になったり、取引先に反社の疑いがあったために投資を受けられなくなったりすることは十分に考えられるシナリオだろう。
今回Sansanが提供予定の反社チェック機能は、Sansanのオプション機能として提供される予定。料金は未定だが、Sansan本体の月額利用料金の20%程度を追加費用とすることを想定しているという。