日本製鉄は12月18日、米鉄鋼大手のUSスチールを買収すると発表しました。買収額は2兆円超となる見通し。世界の鉄鋼業界では中国勢が台頭し、脱炭素化に向けて巨額の投資を迫られる中、米大手の買収で規模を拡大し経営基盤の強化を図るといいます。各業界の主要企業が置かれた状況を分析した連載『ダイヤモンド 決算報』から、「製鉄/金属製品」業界の4社を取り上げた10月13日公開の記事をもう一度、紹介します。(ダイヤモンド編集部)
鋼材需要は低迷気味
それでも各社増収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の製鉄/金属製品業界の4社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(4社の対象期間はいずれも23年4~6月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・日本製鉄
増収率:14.6%(四半期の売上収益2兆1998億円)
・住友金属鉱山
増収率:3.2%(四半期の売上高3692億円)
・ミネベアミツミ
増収率:16.5%(四半期の売上高2924億円)
・JFEホールディングス
増収率:0.7%(四半期の売上収益1兆2621億円)
4社はいずれも前年同期比で増収となっていて、中でも日本製鉄とミネベアミツミは2桁増となった。ただ、世界で鉄鋼需要は減っていて、全社とも利益面は好調とはいえなさそうだ。
次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、利益面はどうなっているのか見ていく。