クリスマスや誕生日の時期には、子どもへ贈るプレゼントを何にしたらいいか悩む親は多いだろう。そこで「経営の神様」と称された稲盛和夫氏が子どもたちに贈っていたクリスマスプレゼントをご紹介したい。「子どもたちに夢を与えたい」と願った“稲盛サンタ”の贈り物とは何だったのか?(イトモス研究所所長 小倉健一)
クリスマスと切っても切れない
サンタから子どもへのプレゼント
クリスマスといえば、サンタクロースが子どもたちへとプレゼントをあげる日だ。英語表記で「Christmas」と書き、直訳すると、イエス・キリストのミサ(礼拝)という意味になる。キリストの生誕を祝うための日だ。
「クリスマスイブ」というと、日本ではクリスマス(12月25日)の前日(24日)という意味で定着しているが、本来イブとは「evening」の略で、24日の日没から24時(25日の0時)までを指す。つまり、クリスマスイブとは「クリスマスの夜」ということになる。
教会や宗派によってクリスマスを24日まで含んでいたり、いなかったりということがあるようで、それがこんがらがって、クリスマスは12月25日、クリスマスイブは12月24日を指すようになったのだという。
私たち日本人の多くはキリスト教でもなんでもなく、多くは無宗教であるのだが、クリスマスに便乗する形で年末年始の浮かれた気分を盛り上げている。
「子どもたちに夢を与えたい」
稲盛氏からのクリスマスプレゼントとは?
1983年12月22日の「日経産業新聞」に、「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫氏のクリスマスイベントについて取材した記事があった。このイベントは、宣伝目的や企業イメージのアップというよりも、稲盛氏が「ただ、子どもたちに夢を与えたい」と願って実施されていたのだという。
企業の短期的なイメージアップや広告宣伝につながらなくていいというのは、太っ腹と言いたいところだが、創業者にしかできないことだろう。会社のカネを使って、ただ子どもに夢を与えるというのはどういうことなのだろうか。
稲盛氏は、自らが創業した京セラの社員の子どもや、京セラの工場がある地域の子ども(小学5年生から中学3年生まで計40人が抽選で選ばれる)に、こんな手紙を送るのだという。日経産業新聞の記事から引用しよう。