みなさんはメモやノートを取るとき、どのようなまとめ方をしていますか? 1000人以上の東大生のノートを分析してまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者であり、現役東大生の西岡壱誠氏は、「情報をすべて書く」のはおすすめしないと語ります。本記事では、西岡氏に「メモやノートを取るときに重要なこと」について話を聞きました。
「すべて板書」が正解か?
みなさんは、メモやノートを取るときに、すべての情報を隈なく書かないと気が済まないタイプですか? それとも、重要な部分だけ抜き出そうとする人ですか?
僕は高校時代に偏差値が35ととても低かったのですが、そのとき、すべての情報をノートに取ろうとしていました。先生が黒板に書いたことはすべて書こうとして、先生が言ったことは一言一句ノートやメモとして取らなければならないと考えていました。
でも、そうやってすべての情報をまとめようとすると、メモやノートを取ることに時間がかかってしまって、頭の中には何も残っていないんですよね。
メモやノートを取ることに必死になって、「さっきはどんな授業だったのか?」と聞かれても、メモやノートには残っているけれど、まるでメモやノートに情報が吸い出されたかのように、頭の中からは綺麗さっぱり無くなっているということが多発していたのです。
何を書くのが重要?
重要なのは、何が重要なのかを見極めることです。情報の「核」となる部分をピックアップすることが重要です。
たとえば、「外国に行くことで、英語を話せるようになったり、異なる文化や伝統について学ぶことができる」という文があったとして、みなさんは何が核になると思いますか?
ここで重要なのは、「具体的な物事に惑わされず、本当に言いたいことを見つけること」です。
この文では、「外国に行くこと」について話をしていますが、その効能として、「英語を話せるようになること」「異なる文化や伝統について学ぶことができること」に触れています。
ですが、それはただの具体的な説明でしかありません。これは、「外国に行くことにはいい影響が多い」ということを語っているわけですよね。それなのに、ただ英語や文化や伝統の話をメモすることに必死になっていては、相手の話を理解することはできないのです。
「本当は何が言いたいのか」を考える
親御さんから「きちんと担任の先生には挨拶するのよ?」と言われて、「わかった! 担任の〇〇先生には挨拶するけど、他の先生には挨拶しなくていいんだね!」とはならないでしょう。
頭を働かせて、「担任の先生をはじめとする、目上の人には挨拶をするべきだ」と言っているということを解釈しなければならないのです。
このように、具体的な例を聞きながらも、抽象的な話として、相手の言いたいことを理解できるように、「本当は何が言いたいのか」を考える習慣が必要です。
メモやノートに書く際には、具体的な例を書くのではなく、それを抽象的に解釈してメモする必要があるというわけです。ぜひ、参考にしてみてください!