自分の実家でも
「大惨事」につながる5つのポイント

 義実家ではなく、自分の実家だったとしても、さまざまな危険が隠れています。自分にとってはくつろげる場所だし、両親にもつい甘えてしまうでしょう。しかし、そんな気の緩みが、配偶者に対するいつもとは違う態度や、日頃は抑えている一面が出てしまうことにつながってしまいます。一緒に来ている配偶者が、居心地の悪い思いをしていることも、つい忘れがち。ひとつ間違えると、夫婦の間に深い亀裂ができかねません。
 
 自分の実家を配偶者と一緒に訪れたときにうっかり踏みがちなのが、次の5つの地雷。くれぐれもお気を付けください。

【フライングという地雷】
配偶者に「まだ言わないで」と口止めされていたのに「『今度さあ~』と話してしまう」

 自分の身内の結婚や出産、転職や不動産の購入など、配偶者としては「伝えるタイミング」を考えて、実家には「まだ言わないでね」と口止めしていました。しかし、実家という環境で気が緩んで、ついペラペラと……。配偶者は「ああ、言っちゃった」と絶望的な気持ちになるだけでなく、隠そうとしていた気配が漂って悪者みたいになってしまいます。

【比較という地雷】
実家での夕食時に、義実家を訪れた時の話をしつつ「あの松阪牛は絶品だったなあ」

 もちろん悪気も他意もありません。単に「義実家に行ったらこんなことがあった」という話です。しかし、わざわざ報告するのは、あまりに無神経。両親としては「ウチはこんな質素な料理で悪かったですね」と言いたくなってしまうし、配偶者も実家自慢みたいに受け取られたのではないかと心配になって「おいおい、やめてよ」と叫びたくなるでしょう。

【気遣いという地雷】
両親はまだまだ元気だけど、無理はしないでという意味を込めて「もう年なんだから」

 当たり前ですが、親はどんどん年を取っていきます。しかし、子どもから見ると「ずいぶん老いたなあ」と感じても、本人はそうは思っていません。昔と同じとは言わないまでも、まだまだ若い気でいます。気遣いから出た言葉とはいえ、年寄り扱いするようなことを言うと、プライドを激しく傷つけて、想像を超えた強烈な反発を受けてしまうでしょう。

【謙遜という地雷】
自分の母親の料理を前にして、妻に「口に合わないかもしれないけど、まあ食べて」

 自分と母親との関係性においては、こうした謙遜もアリという感覚かもしれません。料理を勧める相手が友達なら、まだ大丈夫でしょう。しかし、妻に勧める場面では、最大級に不適切。妻としては「まるで私が、日頃からお義母さんの料理の悪口を言っているみたいじゃない!」と弁明したくなるし、母親も悪口を言われている可能性を危惧してしまいます。

【古い習慣という地雷】
親戚の集まりで散々働かされ、不満をこぼす妻に「田舎には田舎のやり方があるからさ」

 今でも地域によっては、息子の妻は「○○家の嫁」という感覚で、宴会ともなると遠慮なく働かされるケースはありそうです。妻としては、あまりの理不尽さに強い怒りを覚えずにいられません。それなのに夫が妻の気持ちを分かろうとせず、「田舎だから」で片付けるのは最悪の対応。妻からの信頼を失って、即座に見切りをつけられても仕方ありません。

 このように実家や義実家には、たくさんの「地雷」が潜んでいます。しかし、恐れ過ぎる必要はありません。それぞれの親に対しても配偶者に対しても、「相手の気持ちを考える」「きちんとコミュニケーションを取る」という当たり前のことができれば、残念な事態や恐ろしい事態を防ぐことができるでしょう。

 せっかくの帰省ですから、実の親や義理の親や自分の家族と楽しく過ごして、いい思い出をたくさんつくりましょう。皆さんの帰省が、平和で実り多いものでありますように。