Eさんは、マンション管理士に合格した時の勉強法を教えてくれた。

「勉強をスタートさせたのが2月、本番の11月の試験までは10カ月ありました。1000時間勉強するには、逆算すると月に100時間、週に25時間。土日の勉強が10~15時間だとすれば、平日は2~3時間を確保しなくてはなりません」

 Eさんは隙間時間を有効活用するため、インターネットの通信講座を利用した。受講したのはいつでも見られる授業動画。テキストと課題をiPadのノートアプリに取り込み、タッチペンで書き込みができるようにした。

「授業動画はスマホやパソコンで再生し、iPadに書き込みをしながら聞きます。デジタルだと机に向かう必要がないので場所を選ばない。会社までの通勤時間が50分くらいなので、平日は通勤の往復や会社の休み時間に勉強することができました」

 通勤中の、周囲がほどよくざわついている状態が、Eさんには一番集中しやすかったという。受験勉強は、独学でもいけるだろうか。

「難関の国家資格の場合、独学はおすすめしません。以前『宅建』を取った時は独学でしたが、1年目は不合格で、2年目でようやく合格しました。専門の講座に通うか、通信講座を利用するほうがいいでしょう」

 1000時間の努力が実り、Eさんは難関のマンション管理士の合格を一発で勝ち取った。

 では、実際に資格を取った後はどうなったのか。

高齢者のパソコン教室と化したマンション管理士の会合

 マンション管理士は、マンションに関する法律や建設構造上の専門知識で、マンション住民が作る管理組合の運営のコンサルを行うことが主な仕事だ。

 手始めにEさんは、マンション管理士が集まる組織やグループに積極的に参加した。その高齢者率の高さにEさんは驚いた。