ドルフィンは燃費も安い
リッター30〜40kmで走れる感覚

 生活者としてドルフィンに買い替えて一番ありがたいのは、燃費が大幅に安くなったことです。EVの方がガソリン車よりも燃費がいいという現象にはちょっとしたからくりもあるのですが、そのメカニズムを説明したいと思います。

 車の場合、一般に大型車は燃費が悪く、コンパクトカーや軽自動車は燃費がいい傾向があります。カタログスペック上はそうなのですが、実生活ではやや違いました。私はEVに買い替える前は、長距離ドライブはスバルのレヴォーグ、街乗りはトヨタのヤリスに乗っていました。

 同じ条件ならヤリスの方が燃費はよくなるのですが、実際の燃費は長距離専門のレヴォーグの方が効率がよくて、近距離しか乗らないヤリスとあまり変わりませんでした。リッター10km台という感じでしょうか。

 EVの場合、生活者の感覚としては逆に長距離を高スピードで走るよりも街乗りの方が燃費はいいようです。ですから、ドルフィンは燃費がいいように感じます。そして自宅のコンセントから充電して燃費を計算するとガソリン1リットル分の価格(の電気代)で30~40km走れる感覚です。

 実は、この安さには三つのからくりがあります。

 一つ目は、(短距離の街乗りの場合)自宅の充電のみで済むことです。

 街中には、有料の充電スポットがあります。もしここで高速充電をすると、ガソリンほどではないにせよ電気代はかなり高くなります。これはガソリンスタンドと同じで、電気を売っているスタンドの場合、ビジネスとして設備投資がかかっているうえに利益も出さなければいけないので家庭用電気よりも高くなるのです。

 二つ目に、電気料金を時間帯別契約していることです。安い深夜電力で充電すればEVの電気代はさらに安くなります。

 そしてもう一つ、電気にはガソリンと違ってガソリン税がかからないことです。今の世の中の仕組みではガソリン税を財源に道路を維持整備している関係で、これはある意味で「タダ乗り」になってしまうのですが、いまのところその分、EVは燃費がよくなるということが起きています。

 ちなみにEVの場合、いまのところ補助金政策の一環で自動車税や重量税などの税金も免除されています。これも道路財源の重要な税収なので、いつまでも税制面でEVが有利かというと、いずれ普及に伴い見直されると私は思います。今だけの特典だと思ったほうがいいでしょう。

 まあとにかく、BYDのドルフィンは街乗りでは乗り心地は快適で、維持コストもお安いと言っておきましょう。

タイヤの空気圧には
要注意

 EVの共通の特徴として、ブレーキペダルをあまり踏まないという特性があります。回生ブレーキといってアクセルを緩めることで自動的にブレーキが利くため、ブレーキパッドがガソリン車ほど減らないのです。

 これは運転の際にも快適なEVの機能なのですが、別の視点でいえば車が長持ちしそうです。ブレーキパッドが減らないうえにガソリン車のようにエンジンオイルもありませんから、ある意味で定期点検は本当に点検だけでいいかもしれません。

 ただ一点、気にした方がいいのがタイヤの空気圧です。ドルフィン、モデルYどちらもタイヤの空気圧はスマホでチェックできます。それで空気圧が下がったときですが、ガソリン車に乗っていたときはガソリンスタンドで、無料で入れてもらったものですが、EVの場合は気が引けますよね。私は楽天市場で車専用の空気入れを購入して、自宅で空気を入れるようになりました。