EVに向いている人と向いていない人の違いは
自分専用コンセントの有無にある

 簡単に言えば、自宅に駐車場がある人はEVを快適に使いやすい一方で、マンション住まいなど駐車場が共同駐車場の人は、現時点ではEVライフには向いていないと思えます。

 今、EV関連の事業者はこういった共同駐車場にEV充電設備を普及させようとしていますが、EVライフを満喫している立場で考えると、自分専用のコンセントがあるかどうかで快適さがずいぶん違うのです。

 このことは昨年、日産のEV軽自動車「サクラ」がバカ売れ(受注累計5万台を突破・23年7月25日時点)したこととも関係ありそうです。

 これは昔、私が駆け出しのコンサルだった頃に調べたファクトなのですが、日本の自動車市場は都心よりも郊外の方で売れる傾向があります。具体的には日本の車の7割は、人口密集度が東京の町田市と同じくらいかそれよりも郊外のエリアで売れています。中央区や千代田区といった都心部だと自動車の世帯普及率は40%台だったりするところが、郊外だと100%を超えるのです。

 世帯普及率が100%を超えるということは言い換えると、一家に2台以上車を持つ家が多いということです。うちの場合もそうですが、1台目は家族で長距離を乗れるSUV、2台目はその家族の一員が近場に出かけるコンパクトカーといった構成になります。日本の軽自動車は、この2台目需要でかなりの台数を売っています。