そしてサクラは、このニーズに合致しているのです。郊外に住んでいる方は自宅に駐車場があるケースが多くて、ガレージにコンセントがついていることも多いものです。

 サクラはテスラやBYDのような乗用車と違って航続距離が180kmと短いのですが、日常使いが主に近距離でかつ、毎日、夜間に充電するような使い方ならそれでまったく問題ありません。日本のEV市場の中であきらかに一番消費者ニーズがある場所を、日産は掘り当てたといえるでしょう。

BYDのドルフィンは
街乗りに申し分なし!

 さて、私の車の話に戻りましょう。私は、街乗りはBYDのドルフィン、長距離のドライブはテスラのモデルYという具合に使い分けています。まだ試していませんが、東京都心部から小田原や軽井沢あたりならドルフィンで十分に行けそうだと思っています。この街乗り体験と長距離ドライブに分けて、EVライフを解説してみましょう。

 街乗り用のドルフィンはEVとしては「コンパクトカータイプ」という触れ込みですが、実際はコンパクトカーよりはやや大きく、トヨタのシエンタとほぼ同じくらいの大きさという感覚です。実は車幅が1770mmと小型車の規定を7センチ上回るためナンバーは3ナンバーになります。この点はBMWのミニと同じですね。

 とはいえ、コンパクトで取り回しもいいため、街乗り用のコンパクトカータイプニーズとしては申し分ない大きさです。ガソリン車から替わって生活が新しくなったところを挙げていきましょう。

 まず、出かけるときはスマホで事前操作します。具体的には、出発前にエアコンを入れておくことができます。これはテスラも共通で、東京の場合、冬の寒さは別にたいしたことはないですが、夏はこの機能がとても助かります。

 ドルフィンの一番の特徴は、動き出すと何やら美しい音楽がかかることです。これはEVの欠点を補うBYDの独自機能のようなのですが、要するに歩行者に気づいてもらえるのです。

 私の自宅から大通りに出るまでの間は、実はそこそこ狭い生活道路を通る必要があるのですが、そこは普段、多くの人たちが歩いています。前から来る人にはすぐに気づいてもらえるのですが、テスラに乗っていると後ろから近づいた場合、前を歩く歩行者の方はまず気づきません。しかしドルフィンの場合は、近づくと音楽が聞こえるので歩行者の人がびっくりして(?)、すぐ気づいて道をあけてくれるのです。