お金持ちの家に生まれ育ち、大学を卒業して間もなく結婚。3人の子どもを授かるも離婚した。実家に出戻ったものの、父親の会社が倒産し、49歳で住む家を失ったついには預金通帳の残高がほぼ0円に……それまでとはうって変わって赤貧生活に陥り、裸一貫で整体院で働くようになった。自分の力で人生を切り拓いてきたとき、今度は末期寸前のがんを患うことに。そんな波乱の人生を乗り越えて「今がいちばん幸せ!」と断言する『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)の著者が、毎朝起きるの楽しくなるライフスタイルを【人間関係】【食事】【睡眠】【健康】【メンタル】【ファッション】【インテリア】【パソコン】とテーマごとに紹介する。
※本稿は『71歳、団地住まい 毎朝、起きるのが楽しい「ひとり暮らし」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【71歳ひとり暮らし】お金に苦労したことのない私が、なにより怖かった1つのこと写真:川瀬典子

不眠症に悩まされる…

3人の子どもたちを抱えながら、離婚のことが頭の中をグルグルとまわり続け、寝つきも悪く、ようやく眠れてもすぐに目が覚めるといった、典型的な不眠症の状態になってしまいました。

まだ40歳手前の若さだったことと、基本的に体が丈夫だったことから、大事には至りませんでしたが、つらい日々が続いたのです。

ストレスで
2年間も続いた不眠症

昼間は子どもの世話や家事で気が紛まぎれましたが、夜になってベッドに横たわると、どうしても離婚のことで頭がいっぱいになり、眠れぬ夜を過ごさなければならない。

日々続くつらさを「これでもか!」と味わったのです。

結局、そんな不眠症は、離婚を考え始めてから2年間も続きました。

3人の子どもとともに
実家に戻って不眠症が即解消

子ども3人を連れて実家に戻ったその晩のことは、30年以上たった今でも忘れることができません。

ウソのようにぐっすり眠ることができたのです。離婚を考え始めて不眠症を患う前の平均睡眠時間は5~6時間でしたが、別居して実家に帰った日、私は安心したのでしょう。

昏倒するかのように眠りにつき、9時間か10時間くらい眠っていたようなのです。

精神的な苦痛が安眠を
妨げることを実体験

このとき初めて、人間の心と睡眠とが深く関わっていることを実感しました。

離婚するまでの2年間、自分が思っていた以上に緊張し続けていたことに気づくと同時に、こんなにも安眠できる実家という場所があることに、感謝の念を覚えずにはいられませんでした。

激しい不安に駆られて
また不眠症に…

離婚のときと同じく、精神的な悩みから不眠症に陥ったことがもう1回あります。

父の会社が倒産したときのことです。

父が経営していた会社が、バブル崩壊とともに倒産の憂き目にあったのです。