正解は 2

解説 ①決算前に限らず5%程度の株価変動はよくあることです。

時価総額100億円前後で、今後の成長を見込んで投資したばかりのタイミングならば、保有し続けても問題ないでしょう。

②目標とする時価総額まであと200億円足りないので保有し続けるという判断は、一見すると正しいようにも思えます。

しかし、たった半年で株価3倍に成長したのであれば、すでに想定以上のリターンを得ているともいえます。

目標に対する
進ちょく率に着目

目標とする時価総額1000億円に対して、800億円まできたということは、すでに進ちょく率80%達成のレベルです。

事業もそろそろ成長のピークにきていると感じるのであれば、リスクを背負ってまで残り20%の成長を狙いにいく必要はありません

少し早めに利益確定して、その資金をまた別の成長株に投資するほうがいいでしょう。

実体のない期待感から
株価が上昇した場合

③のように、決算発表前にもかかわらず、単なる期待感から株価が急上昇したときは注意が必要です。

このように期待感が高まった状態で決算発表を迎えると、多少よい決算を発表しても、逆に株価が下落することもあります。

この場合は、無理にリスクを負って決算発表をまたぐようなことはせず、売ってしまってもいいでしょう。

予想以上に悪くなかった
ことによる株価上昇

④は、決算発表前にもかかわらず、業績悪化を警戒して株価が急落したときの考え方です。

多くの投資家が業績悪化を警戒しているのですから、決算前に売ったほうがいいように思うかもしれません。

しかし、実際のところ、決算発表前に警戒感から売られて下落した株は、多少悪い決算を発表しても、思ったほど株価が下がらない、もしくは逆に株価が上がることさえあります。

なぜなら、決算発表前にたくさん売られたことによって、決算発表後の“売り圧力”が減るからです。決算発表前に実態のない臆測で急落した場合は、逆にそのまま保有し続けてもいいでしょう。

➡ 決算発表をまたいでもち越すケース
投資したばかりのタイミング
ほかの投資家からの注目度が低い銘柄
会社の成長余力がまだまだありそうなとき
決算前にもかかわらず株価が動かない銘柄
あまり注目されていないけれど、たぶん決算内容がいい
➡ 決算発表前に売るケース
会社の伸びしろ自体があまりなさそうなとき
そろそろ売ってもいいかな、と思っているとき
決算前に期待で買われて株価が上がったとき
決算がみんなの期待を超えられそうにないとき

ポイント 決算発表前の市場の期待感や警戒感による株価変動は冷静に判断すべし

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。