現地IT企業はハードルが高いが
日系の企業ならイスはある

 ワーホリで日本を出て、溝尻さんが社長を務めるSazaeで、業務委託としてITエンジニアの仕事をしている日本人女性にオンラインで話を聞くことができた。ブリスベンに滞在中のKさん(29歳)だ。

「外資系企業に勤めていましたが、お客さまは日本企業ですし、海外出張の機会も意外にない。いつか海外で働いてみたいという気持ちを持っていましたので、それができるのがワーホリでした」

 英語の勉強も兼ねて、現地のIT企業で働いてみたいと考えていた。だが、アプライをしてみたものの、Sazaeのほうが先に決まった。

「現地のIT企業は、英語の求人サイトに出ていた普通の人材募集でした。ワーホリの人材を求められていたわけではないですし、英語力がマッチしたポジションではなかったのかもしれません。理想は現地企業でしたが、ハードルが高かったというのが、正直なところです」

 Sazaeは日本にいる間に、オーストラリア情報を発信しているサイトの掲示板で見つけていた。ITエンジニアを探していたのを知っていたのだ。やはり、日本にいる時点で、かなりの情報を収集していたという。そしてリモートで面接し、採用が決まった。

「ワーホリでIT系の仕事を見つけようとしている人は、まわりにはいなかったです。募集もないですしね。現地の人と同じ土俵に立てばあるんですが、それはやはり英語力が求められます」

ワーホリを終えたあとも
海外生活を継続する方法

 オーストラリアは最長3年だが、ワーホリは基本的に1年。ワーホリビザは年数が限られているので、ワーホリビザでは帰国しなければならない。しかし、他のビザを取得して残る。あるいは一度、日本に戻ってから、再び別のビザで入国を果たす。そんな人もいる。

 日本を出てみたら、思いのほか、海外は自分に合った。このままもっと海外で過ごしてみたい。あるいは、場合によっては永住権を取得して、ずっと住めるようにしてみたい。そういう選択肢も、現実としてあるのである。