周りに気を使いすぎたり、相手を思うばかりに自分の気持ちに嘘をついたりと、対人関係の悩みは尽きない。適度にわがままになるにはどうすればいいのか、元乃木坂46で心理カウンセラーの中元日芽香が答える。本稿は中元日芽香『なんでも聴くよ。 中元日芽香のお悩みカウンセリングルーム』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。
他人に気を遣いすぎて
身内にさえ本音が言えない
「学校やバイトで気を遣いすぎて、行動に移せないことが多いです。私が何かすることで厚かましいと思われるんじゃないかと思ってしまいます。思っていることもなかなか言い出せず、母にさえも本音を言えないことが多いです。
中学生の時、同級生に『気にしすぎだよ』と言われて自覚したのですが、直すことができず時間が経ってしまいました。
どうすれば積極的な行動をしたり、自分の意見をはっきり言えるようになりますか?」(あやか・19歳・女性)
適度な気遣いは必要なはずですが、人に気を遣いすぎてしまうとどうなるか。私がまずパッと浮かんだのは、「○○さんはいつも意見とか言わないから、こちらで勝手に決めてもいいよね」と、自分の意見を求められなくなってしまう可能性です。
希望を伝えることは大事ですし、嫌なものを嫌と伝えることができたら、きっと無意味な我慢をしなくて良くなります。
他者の意見を頭ごなしに「いや」「でも」などと否定してしまうと衝突を招く危険がありますが、本当は反論したいのに「いいね」と言ってしまうと自分を大切にできなくなってしまいます。
どうすれば積極的な行動をしたり、自分の意見をはっきり言えるようになりますか? ということで、「いきなり全部を変えるのではなく、自分ができそうな場面から取り組んでみる」ことを提案させてください。
気遣いの割合を減らして
勇気を出す割合を増やす
あやかさんが挙げてくださった日常場面だと、「学校やバイトで行動に移せない」「お母さまに本音を言えない」。この中でまず直していきたい、取り組めそうだと感じるのはどの場面でしょうか。
バイトならプライベートな人間関係とは違うから、仕事として必要な行動であると割り切れそうとか。お母さまに本音を言えるようになりたいから挑戦してみようかなとか。いずれにしても、大切な心がけは「相手への気遣いの割合を少し減らして、自分の意思で動く(話す)勇気の割合を少し増やしてみる」イメージです。