米半導体大手エヌビディアの時価総額が次の1兆ドル(約150兆円)に達するのは、最初に1兆ドルを超えたときよりも簡単であることが判明しつつある。だからといって、上昇気流に乗る同社が気楽にしていいというわけではない。エヌビディアは約8カ月前の創業30周年を迎えて間もなくの頃、時価総額が1兆ドルを突破した初の半導体企業となった。勢いは止まらず、エヌビディアの時価総額は現在1兆8000億ドル弱と、マイクロソフトとアップルに次ぐ米国で3番目に時価総額が大きい企業となっている。エヌビディアは先週、アマゾン・ドット・コムとグーグルの親会社アルファベットの時価総額を上回った。エヌビディアよりもはるかに売上高が大きなこの2社には、特筆すべき二つの共通点がある。一つは、人工知能(AI)で抱く野望を推し進めるにはエヌビディアの半導体チップが不可欠であること。もう一つは、この取り組みに何百億ドルもの年間予算を充てているということだ。