所得格差の進展を見越した
ビジネスチャンスとは

 所得格差は解消の方向に向かうとはいえ、すぐに解消することはなく、今後何十年もかけて徐々に解消していくものと考えられます。過去の日本で起きたようなことが最近の中国で起き、今後は東南アジア、南アジア、アフリカで起きていき、各々の地域で所得格差が時間差で解消していくでしょう。ということは、いま東南アジアで起きている所得格差関連のビジネスチャンスがこれから南アジアやアフリカに広まっていくことになります。

 日本との関連でも所得格差関連のビジネスチャンスとして、以下のような論点を考えることができます。

(1)新興国の富裕層は日本にも多く旅行してきているが、彼らを日本のファンにしてリピート顧客になってもらうためには、どういうサービスを提供すればよいか

(2)日本国内である程度成功しているビジネスのうち、今から新興国の富裕層にも展開可能なものはどのようなものがありそうか(和食、アニメ、ゲームなど以外に)

(3)新興国の中流層向けに、日本で(かつて)中流層向けに成功したビジネスを展開することはできないか(ボーリング場などのレジャーやスポーツクラブなど)

(4)韓国や中国に続く新興国では、これから中流層が子供の教育にエネルギーをかけるようになると思われるが、日本の教育産業の中で海外にも展開可能なものはないのか

(5)ネクスト・チャイナと呼ばれる国で、これから優秀な若い人材が都市に集まってくるが、こうした人材を(リモート技術を活用して)グローバルに活躍させるようなビジネスは考えられないか

(6)新興国で販売されている「段違いに安い」商品は、機能や品質を割り切っているからだとしても、日本でもそうした商品(格安の電気自動車など)を受け入れる層もいるのではないか