日経平均「最高値後」のシナリオは?日本株の行方を専門家6人が大展望!Photo:EPA=JIJI

『週刊ダイヤモンド』3月2日号の第1特集は「高成長&高配当 新NISAで狙う強い日本株」です。ついに日経平均株価が「史上最高値」を超え、新次元に突入中です。そこで、日本株相場の行方について専門家6人に緊急アンケートを行い、株高の背景や想定シナリオなどを読み解きました。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

日経平均がついに最高値更新
専門家が今後のシナリオ大展望!

 日本株が、かつてなく動意付いている。年初から上げ相場が続き、日経平均株価は連日のようにバブル後最高値を更新。そして2月22日の東京株式市場では、前日比836円52銭高の3万9098円68銭で取引を終え、ついに1989年末の史上最高値(3万8915円87銭)を超えるに至った。    

 ダイヤモンド編集部では、日本株の上昇相場が続く中で、2月中旬に専門家6人への緊急アンケートを実施。日本株上昇の背景、今後の見通しなどを回答してもらった。

 すると、2024年末時点の日経平均の予想は4万3000~3万3000円となった。回答内で市場関係者の想定するシナリオにほぼ共通するのは、最高値更新があくまでも通過点との見立てだ。

 年内の高値想定を4万5000円としたシティグループ証券の阪上亮太株式ストラテジストは、2月15日付のレポートにおいて、従来の予想を上方修正。「日本株の基調は想定以上に強い」として、堅調な米国の経済や株式市場、日本株への資金フローの強さなどを理由に、「強気スタンスの維持が妥当」と指摘した。

 そもそもなぜ、これだけ日本株が上がっているのか。複数の専門家から寄せられた回答が、「インフレ」というキーワードだ。

 阪上氏と同様、24年末日経平均を4万3000円と予想するマネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは、「長らく日本経済をむしばんできたデフレが終焉し、マイルドなインフレが定着しつつある」と指摘。これにより「値上げが通りやすくなり、企業が原価を適切に価格に反映し利益を上げやすい構造になってきた。直近で一巡した企業の決算発表を見ても、値上げによる好業績の事例は非常に多い」とみる。

 その上で、インフレを含め、七つの要因が日本株を押し上げてきたと分析する。

 それは、(1)デフレからインフレへの転換、(2)日本型企業経営の変革(=グローバルスタンダードな資本市場へ)、(3)この点を評価した海外投資家の買い、(4)中国からの資金シフト、(5)米国株の最高値更新、(6)日本の金融緩和の継続観測とそれを背景とした円安、(7)好調な企業業績である。

「これだけ並ぶ要因を眺めれば、日本株の上昇は至極、当然と受け止められるだろう」(広木氏)というわけだ。