「モデル」を使えば、観察できないものも研究できる
小さすぎたり大きすぎたり、または費用がかかりすぎたりして、実際には観察できないものを研究するには、モデルを使う。
モデルを使って対象を単純にすると、容易に観察や考察ができるため、科学者にとってモデルはとても役に立つ道具である。モデルは以下の何種類かに分けられる。
・物理的モデル:地球儀や立体模型など
・コンピュータモデル:気象パターンの変化のシミュレーションや、人間や場所の3次元シミュレーションなど
・数学的モデル:直線の方程式や、過去の経費から将来の経費を予測する業務など
実験の結果が予測と違っていたとしても、失敗ではない。何が違っていたかを明らかにすることが、真理を解き明かす上では重要だ。
1疑問を持つ。
2背景調査をおこなう。
3仮説を立てる。
4実験や観察によってその仮説を検証する。
5結果を分析する。
6仮説に関する結論を導く。もし違っていたら、新たな仮説を立ててやり直す。
7結果を公表する。
理論・法則とは何か
さまざまな観察をおこなったら、その出来事がなぜ、どのようにして起こるのかを考えにまとめる。科学的な考え方の第一歩は予測で、その予測は証拠によって裏付けられることもあれば、否定されることもある。
検証と実験を繰り返して仮説が裏付けられたら、理論を構築できる。理論とは、徹底的に検証されていくつもの観察結果に裏付けられた1つの説明の案のことである。
科学の法則も理論と同じく、たくさんの観察結果に基づいている。法則とは、自然の振る舞い方を表したルールのことだが、なぜそのように振る舞うかは必ずしも示されていない。
たとえばアイザック・ニュートンは、物体がひとりでに地面に向かって落下する様子を観察した。そしてその落下のパターンを説明するために、万有引力の法則を思いついた。この法則は、重力による物体の運動を予測してはいるが、なぜ物体がそのように落下するかは説明していない。
・理論:ある出来事がなぜ起こるかを表す。何年にもわたる検証と観察に基づいている。
(本稿は、『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』から一部を編集・抜粋したものです)