例えば、出社しない社員に対しては、どうしても他の社員が疑心暗鬼になる。「出てきていないから、サボっているのではないか」。実際、そういうことを言い出す社員もいる。ツールや機器の導入、さらにはその使い方をマスターするだけではなく、社内のマインドを変えていくことも、テレワーク導入では求められたのである。
そこでワークスマイルラボは、テレワークに必要なデジタルツールや機器に加えて、テレワークをしっかり社内に定着させるための自分たちのソフト面の経験も提案していかなければいけない、と気づいた。そうすることで、本当に導入ができるのだ。
こうして、「テレワーク導入支援」という新しいメニューが作られた。これが、後のコロナ禍のもと、爆発的な支持を得ることになったのである。
かつてのビジネスは、顧客の「この商品が欲しい」に対応するものだった。欲しい商品を提供したり、新たに欲しいのではないかと思われる商品を提案することが、ビジネスの基本だった。
しかし、ワークスマイルラボでは、顧客の「自分たちもこれがやりたい」に応える。こんなワークスタイル、こんな働き方、こんなDX……。まさに「働き方」なのだ。中小企業の働き方を変える支援を行っていくことが、今やビジネスになっているのである。

船井総合研究所 著
働き方支援メニューは具体的に3つ。働きやすい職場環境づくり。また、働く環境を改善し続ける8S活動や社内のルールを定めて社員のマインドを変えていくこと。さらには、評価制度。こうした働き方の変革が、まさに来店体験型のショールームで紹介されている。
顧客にとっては、機器販売だけよりも、費用総額は上がる。しかし、それでも受注確率は大きく上がった。顧客は本来、モノを求めているのではなかったからだ。「こうしたい」という成果を求めていたのである。
ワークスマイルラボは、その「こうしたい」を実現させるビジネスモデルを作り上げた。売るモノを変えたのではなく、売り方を変えることで、それを実現させたのだ。