洞窟内は一年を通じ10℃±5℃を保ち、太陽光は入らない。風が通る設計で計算され、傾斜がついて気持ちよい空気が流れる。湿度は高いがカビとは無縁。季節の温度変化を受け、瓶内で対流が生まれるなど熟成に最適な条件が揃う。そうして熟成を経た大吟醸酒は、滑らかでエレガントな味わいに変化。洞窟は土日祝日に開放し、年間2万人が訪れる名所になり、併設のショップでは年代違いの試飲も楽しめる。「地域に残された財産を生かし、新しい味を創造していきたい」と健一さん。平和の語り部として、価値ある酒を追求する。

新日本酒紀行「熟露枯」熟露枯 大吟醸飲み比べセット
●島崎酒造・栃木県那須烏山市中央1-11-18●代表銘柄:東力士、熟露枯、極雫●杜氏:関根達郎●主要な米の品種:山田錦、五百万石、夢ささら
新日本酒紀行「熟露枯」市の近代化遺産の碑 Photo by Y.Y.
新日本酒紀行「熟露枯」土木遺産の碑 Photo by Y.Y.
新日本酒紀行「熟露枯」入り口 Photo by Y.Y.