“自分らしくいること”が、コミュニケーションがうまくいく一番の秘訣」
つい周りに合わせて無理をしてしまったり、自分の言いたいことをうまく言えなかったり…そうして、悩んだ経験はありませんか?
感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』は、そんないつも周りを気遣うことのできる人に向けて作られた書籍として注目を集めている。
アナウンサー歴30年超でありながら、実はもともと極度の人見知りで「人前で話すのがずっと苦手」だった著者による、「大人にふさわしい会話のテクニック」が多数掲載されている。
自分と相手が調和するコミュニケーションの秘密がわかる本書。
今回はその中から特別に「」を紹介します。

【一流は規格外】歩く方向や歩数・手を上げるタイミングや角度・回数まで決める…一流のスピーカーはなぜ「練習」を大切にするのか?Photo: Adobe Stock

圧倒的な練習の“質”と“量”

アメリカには、プロフェッショナル・スピーカーと呼ばれる職業があります。日本で言えば、講演家といったところでしょうか。
日本の講演家は、話の内容や専門性、本人の実績などによって人気度が決まりますが、アメリカでは、それに加えて内容をどのように伝えるのかという「話し方」が非常に重視されます。定期的にトーク力やプレゼン力のコンテストが行われ、ランク付けもされるほどです。

それもあって彼らはとにかく練習するのですが、私のニューヨークの友人である日本人のプロフェッショナル・スピーカー、リップシャッツ信元夏代さんの練習量と質は圧倒的でした。大会前には、演台で歩く方向や歩数、手を上げるタイミングや角度、回数まで決めて何度もスピーチを繰り返します。それを録画して確認。人にも見せてフィードバックを受け、ブラッシュアップしていくのです。

「よいスピーチをするには練習が大事だ」

彼女が常々口にしているのは、「よいスピーチをするには練習が大事だ」ということです。スピードが求められるニュースの仕事をしてきた私にとって、一つのニュースを徹底して練習する習慣はありませんでした。プレゼンとニュースでは目的や性質が違うのですが、私も彼女の姿を見て、「ここ一番」のプレゼンの前は、練習をしてから臨もうと思いました。

本番で成功するには何が必要か。一にも二にも、練習です。
自分の声を聞きながら練習すると客観性が生まれ、声の響きや感情の乗せ方をどう改善すればいいかが、より的確にわかるでしょう。また、声に出すと、言いにくい言葉や言い回しもわかるので、原稿を推敲していくこともできます。体に染み込むまで何度も原稿を読み上げることで、スピーチがどんどんなめらかになっていくのです。こうのようにして不安材料をなくしていきましょう。

いつもは三日坊主で終わりがちな人も、本番という目標があれば続けられるのではないでしょうか。

(本記事は、『感じがいい、信頼できる 大人のちょうどいい話し方』の一部を抜粋・編集・加筆したものです)