ドナルド・トランプ氏対ジョー・バイデン氏の選挙戦が不快で野蛮なものとなり、あまり短期間では終わらないだろうということは誰もが分かっているが、まだ分かっていないのは、この選挙戦に伴う政策面の損害がどの程度になるかということだ。明らかになりつつある一つの例は、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収案に対する自滅型の反対という大失態だ。かつて米政界の一致した見方は、外国からの投資は米経済の強さの表れであり、高給の雇用を生み出すというものだった。保護主義者たちは、米国製品と競合する輸入品の流入阻止に焦点を合わせていた。しかし、彼らは今では、友好国が米製造業に投資する場合さえも標的にしている。それは、日本製鉄がUSスチールに提示した141億ドル(約2兆円)での友好的買収案にも当てはまる。USスチールは老舗の米国企業だが、世界の製鉄会社ランキングで大きく順位を落としてしまっている。日本製鉄の幹部は、USスチールの生産性を高めるために大規模な資本注入を計画している。しかし、この買収案に対してライバルである米クリーブランド・クリフスや全米鉄鋼労組(USW)から反対の声が上がっており、政治家は羊のように従っている。
【社説】日本製鉄を巡るバイデン氏の大失態
大統領のUSスチール買収反対は米国に有害 労組の圧力やトランプ氏の影響で表明
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