少し前までは、投資家の属性にかかわらず「株式に代わる選択肢はない」というのが金融アドバイザーの一致した意見だった。今は、投資家の具体的な資金ニーズによって投資方法は大きく変わってくるはずだ。好調な経済下では、株式が標準的な投資対象であることに変わりはない。同時に、債券利回りは過去16年間で最も魅力的な水準を保っている。また、高いリターンを求めるのであれば、キャッシュがさらに有利だ。例えば、MMF(マネー・マーケット・ファンド)の利回りは5%に達している。選ぶのに困るようなこの状況は、2008年より後、すなわち金利がゼロ同然の中で株式が唯一の大きなリターンの源泉であった時期とは一線を画している。また、歴史的にも珍しいことである。米国の1960年以降の四半期データを見ると、キャッシュリターンが債券リターンを上回り、かつ債券利回りがまだ4%を超えている間に経済成長率が2%を上回ったのは、その間の13%しかない。
最適な投資方法、これまで以上に「自分次第」
超長期の投資は株式が最適かもしれないが、短中期の投資はキャッシュと債券が有利
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